棚田チャレンジvol.11 芋煮会&雑穀脱穀
今年は雨の多い年だった。おかげさまで、棚田にも大きなアクシデント。それは土手崩れ。田植え後の田んぼに土砂がどさっと崩れ落ち、稲を潰して修復するわけにもいかず、そのままにされていたのだった。

稲刈りの終わった今なら心おきなくなおせる。そう思って集まったチャレンジャー16名。しかし、昨夜まで雨続き。足場は最悪。しかし、心配気な自然王国・藤本ミツオさんをよそに、やる気満々の面持ちだ。
「じゃあ、やりますか」
国王のOKも出て、心は晴れていざ棚田へ。なんでそんな力仕事を喜んでするかって? それは、通い続けた棚田への愛情と、少しばかりの日頃のストレス。オフィスワーカーたちにとって体を動かす農作業は、頭を空っぽにできる貴重な時間。無条件におもしろいものなのだ。
そんなわけでスコップと鍬を持っていざ修復へ。勢い勇んでかかってみたものの、ぬかるんだ田んぼの土に足を取られて思うように動けない場所も。そして、水を含んだ土は重く、べっとりとスコップに張り付いていた。作業効率は最悪である。

そしてバチャ、ビチャという音とともに、あたりに飛び散る田んぼの土。いや、粘土。気がつけば服も顔も跳ね返った土で気鋭のアート作品のように、無作為の美で埋め尽くされていた。






不思議なのは、聞こえてくる笑い声と笑顔。みんな文句を言うどころかどんどん作業にはまっていく。やがて元の田んぼの面が現れ、杭を打って土を止める作業に入った。
掛合を振り下ろして1メーター強の杭を打ち込んでいくのだが、ここで活躍したのが現役女子農大生、そして大学で映画を作っているという男の子。若いパワーで軽やかに杭を打ち込んでいく。しかし、事件はその後に起きた。

「地滑りしてるよ!」
苦労して積み上げた土にひびが入り、なんと下にズレ落ちて来ているではないですか! これはショック! しかしなす術もない。むしろそこに立っている方がどんどん足が埋まっていくような状態。
そうして、なんと打ち込んだ杭面が大きく斜めに倒れ始めた。残りの杭で支えてみたものの、倒れてしまうのは時間の問題。これはしょうがない。


やむなく、無念の
「撤収〜!」
こうして土手の修復は王国スタッフに引き継がれ、チャレンジャーたちの棚田2009は膜を閉じた。

そしてお待ちかねの芋煮会!
この日のために植えた里芋セルベス。掘らなきゃ芋煮が始まらない。早速畑に移動して、里芋掘り。大きな親芋は生まれたての赤ちゃんの頭くらいはありそう。どれも結構しっかりとなっている。
「粘土質だからおいしい里芋ができますよ」
というミツオさんの言葉を思い出しつつ、心は既に夕飯へ。おいしい鍋にエンジンをかけられながら、畑をならす。この場所は諸々の事情から、これで地主さんに返すことになっている。名残惜しく思いつつも、まだ収穫できない小豆は残し、エゴマも無事収穫。畑作業も完了した。






この日は九州を旅してきた堀田さんが知人に送ってもらったというおいしい麹も登場。芋煮と麹鍋のあったかーい食卓を囲んだ。そして、芋煮会の言い出しっぺに電話。そう、今や国会の人となった我らが宮田武宏。忙しい時間ノ間を縫って、顔を出してくれた。しかし芋煮は既にナシ(笑)。こんなところも宮田さんらしい。



そしていよいよ次の日、問題の雑穀の脱穀に取りかかった。
作るのはいいけど脱穀が大変だよと、聞いた人すべてが口を揃える雑穀。脱穀の後の精白作業が一番の難関になっている。チャレンジャーたちも挑んでみることにした。
まずは王国スタッフゆうこちゃんの準備した、板に縄を巻き付けたものに、雑穀の穂をこすりつけて脱穀。


それからお米でいえば籾殻をとる作業に入る。こんな方法を試してみた。
1) ミキサーをかける。指の加減で短くスイッチを入れたり切ったりする。
2) 一升瓶に入れて棒で突く
3) すり鉢で軽く擦る
そのままでOKの高キビと、3日間蒸さないと殻がとれないヒエはそのままにして、モチキビ、アワの二つに取り組んだ。ミキサーでやるのが一番手っ取り早いけど、力加減をあやまると割れて粉になってしまう。これが結構難しかった。



そして、出た殻と実をわけるのには
1) 落ち葉などを集める「ミ」やお皿、鍋のふたなどに雑穀をのせ、揺らしながら実と殻を分け、浮いた殻を吹き飛ばす
2) 一握りの雑穀を少しずつ落とし、殻だけが風で飛ばされるようにする
3) ザルでふるう
4) 手で選り分ける






手で選り分けるのは、粒が大きい高キビと精白の必要がないエゴマくらい。後はみんな思い思いのやり方で作業を続けていった。しかしこれが時間がかかる。吹き過ぎで頭をクラクラさせているうちに時間がやってきた。残りは分担して持ち帰り、家で作業。新年会に持ち寄ることにした。
さてさてどうなることやら。
こうして今年も棚田の一年が膜を閉じた。2年目を迎えた棚チャレは内容も充実。いろんなチャレンジのバリエーションが増えた充実の一年だった。
新年会は、今年育てた餅米と小豆で餅つき大会で自給はじめ。どうぞよろしく。
