一粒万倍 種まき大作戦
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自然酒仕込み2010vol.2

『発酵道』でおなじみ、自然の恵みでつくるお酒が大人気の寺田本家。今年、種まき大作戦が寺田本家の田んぼでつくった酒米「神力」は220kg。これを使って、美味しい日本酒を仕込む自然酒チャレンジがいよいよ実現!

寺田本家のお酒は、神崎町でとれたお米に、田んぼでとれた稲麹菌、そして、神崎神社の麓に湧き出す井戸水で仕込む、純神崎産。

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酒仕込み1回目の前回は130kgのお米を使って230Lのお酒を仕込みました。そして2回目の今回は、残りの90kgに寺田さんでとれた160kgのお米をプラスして、540Lのお酒を造ります。これは一升瓶300本分。なかなか飲みがいがありそうですね。

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蔵人頭・寺田優さんの案内で蔵に入ると、大きな蒸器からもくもくと湯気が立ち上がっていました。ちょうど仕込みに使う酒米を蒸しているところで、この中に25okgの米が入っているのだそうです。

日本酒の仕込み方はいろいろありますが、今回チャレンジするのは、10日から2週間くらいでできる醸造法。これは「醍醐のしずく」と同じ作り方で、米の味が表に立った、さわやかで味わいのあるお酒ができるそうです。その作業の行程は、

1)まず、生米を水につけ、麹菌を入れます。酸っぱい匂いがしたら米を取り出し、水は麹を入れて仕込み水にします。

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2)取り出した米に麹をまぶし、タンクの底に入れ、仕込み水を入れます。

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3)仕込み水と米(この日は5度)と混ぜた時に20度になるように、温度を調整した蒸し米(この日は65度)を入れ、かい棒で混ぜていきます。

(い)まずは蒸し上がった米を取り出し
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(ろ)担いで運ぶ
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(は)台に広げて温度を冷まし
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(に)温度が下がったらタンクへ入れる
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(ほ)かい棒でよくかき混ぜる
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4)最後に2)のお米を入れて蓋をして、温度を管理しながら10日〜2週間寝かせます。

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でも、一般的なお酒がどうやってつくられているかも見てみたい、ということで、蔵見学。

一般的に、日本酒は3段仕込みといわれる製法でつくられています。この酒仕込みのポイントが、

 1 麹
 2 もと
 3 つくり
と呼ばれるもので、完成までに3ヶ月くらいかかります。

「1麹」はいわずと知れた発酵を進める張本人。寺田本家では、38度に調整した麹室でつくっていきます。この部屋は杉板の壁の間に炭が入れられ、活性酸素が発生するようにされているのだとか。

湿気もあるはずなのにカビが全くないこの部屋は、一度入ると出たくなくなるくらい、居心地ののよいところ。その麹室の台の上に、蒸したお米を広げて36-37°に冷まし、その上に麹菌を撒いてお米と混ぜ合わせ、菌糸がお米の中に入りやすくするために、再び薄く広げて寝かせていきます。それから、培養させ山のような形に積んで、発酵を進めます。
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こうしてできた麹を水と混ぜ、お酒のもとになる「酒母」をつくるのが「2もと」。

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寺田本家では、木桶の中に麹と蒸し米、水を混ぜたものを入れて山のような形をつくり、蔵人たちがかい棒ですりおろします。これをタンクにあけて、水を加えて乳酸発酵させていくのですが、ここが手間ひまがかかるところ。5度から25度まで20日間程かけてゆっくり発酵させていき、さらに20日感かけてゆっくり温度を下げていきます。この間には、蔵人たちは湯たんぽで加温したり、保温材をたるにまいたりと、手間ひまかけて菌のお世話をしていきます。
これが、菌が自然にお米の中に入っていくのを促す「生もとづくり」。製造までに時間と手間ひまがかかるため、今ではやっているところが少なくなってしまいました。

そして、いよいよ「3つくり」。酒母を大きなタンクに移して、蒸し米、麹、水を3段に分けて仕込んでいきます。この段階で、主役の菌が乳酸菌から酵母菌にバトンタッチ。酵母菌がブドウ糖を食べてガスを出し、次第にアルコールがつくられていきます。参加者たちは、寺田本家の仕込みをお手伝い。みんなでタンクに入れる米をリレーしました。

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1ヶ月程たって発酵の泡が消える頃、美味しい日本酒が完成します。

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「蔵人の仕事のほとんどは掃除と片付けなんですよ」

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そんな優さんの言葉を受けて、仕込みの後はみんなで掃除。きれいになるとやっぱり気持ちがイイ。人がいて気持ちがよい蔵ならきっと、お酒も気持ちがよいはず。おいしいお酒が育つこと間違いなしです。

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