一粒万倍 種まき大作戦
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棚田チャレンジ2009 vol.1  開墾&新年会(1月31日〜2月1日)

やっぱり次は、開墾だ!!

2008年秋、チャレンジャー達は棚田の案山子をつくりながら、新たな妄想を描いていた。

「来年は小豆とか雑穀もつくりたいよね。餅米も作って餅つきしたい」

「大豆も麦もつくれば味噌と醤油が自給できるね」

そして、稲刈りを終えた頃、その妄想は更に大きく膨らんでいたのであった。



「来年もやるなら、開墾したい!!」

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この言葉に、おののいたのはスタッフ一同。自然王国スタッフは「マジっすか?」と目を丸くし、種まき大作戦企画担当、ハッタケンタローさんは眉間にしわを寄せた。何を隠そうハッタさん、昔、山梨で開墾した経験がある。

「いやー、開墾は大変だよー。ガタイのいい男性じゃないと辛いんじゃないかなぁぁー?」

と言葉を濁す。そう、棚田の参加者は女性の方が圧倒的に多い。そんなメンバーで開墾なんて大丈夫なのか? 大体そんなことで人が集まる訳がない。スタッフの間に一抹の不安がよぎる。

しかし、あきらめないのが棚田チャレンジャー。一度ついた開墾の火はそう簡単には消えなかった。その後の打ち上げ、MLで開墾と来年つくりたい作物を大プッシュし続け、ついに王国スタッフ・宮田武宏さんをして、開墾地ゲットに乗り出させたのだ。

そして2008年暮れ、宮田さんからこんなメールが届いた。

「ありました! 王国から田んぼまでの急な坂道の近くに、藪と木で覆われている耕作放棄地が! 斜面の下に向かって結構広がっています。

すべて開墾、というのは大変なので、せめて田んぼ一枚からでもスタートしてみようかと。うまくすれば、田んぼとして復田できるかもしれません。
棚田チャレンジャーで復田できたらすごくないですか?
写真も見せないでいうのはなんですが、楽しそうですよ〜。」

その後送られてきた写真を見ると、8年間放置されてきた田んぼには、背丈をゆうに超す高さの薮が広がっている。直径10センチくらいの木もあるらしい。今度はチャレンジャー達が「マジっすか?」と目を丸くする。しかしこれは、やりがいありそう! 今年はみんなで開墾しようじゃないですか!

開墾告知はこちら

そんな訳で、旧暦の正月(1月26日)を越した1月31日〜2月1日、新年開墾ツアーが決行されたのである。

森は田んぼに、田んぼは森に。そして再び……

この日集まったのは、昨年のメンバーと新規加入メンバー、約25名。これに王国スタッフ5名が加わり、棚田へ出陣。

「みなさーん、ここです!!」

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宮田さんの指差す先に目を凝らす面々。しかし、その先に広がっていたのは田んぼではなく、まぎれもなく立派な薮。薮というよりはもう林に近い。その植物達の憩いのよさに、しばし呆然とするチャレンジャー達。しかし、宮田さんはおかまいなしで、どうだとばかりに作業の説明を進めていく。

「まず一段目を開墾します。のこぎりと鉈、鎌を使って木を薮を切り払います。ススキやセイタカワダチソウの他に、トゲのあるイバラもあるので、気をつけてくださいね。まずは軍手の上に皮の手袋してください」

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見開いた目を元に戻しながら、準備に取りかかるチャレンジャー達。次第に士気も高まってきたようだ。

続いて、同じく王国スタッフの小原さんから道具のレクチャー。

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「鉈を使うときは鉈を振る方向に手や足を置かないように。少し方向がずれただけで大変なことになりますから、気をつけてください。木の繊維に鋭角に当てるようにすると切りやすいです。そのまま置くと危ないので、ケースを腰につけて持ち歩いてください。

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ノコギリは繊維に直角に当てていいです。手前に引く時に力を入れてください。押す時に力を入れても切れませんからね(笑)

鎌は蔓を払ったり、ススキやセイタカワタチソウを刈るのに使ってください。刃が柄から斜めについているので、刃が浮くように地面に置くと引っかかってケガしますから、必ず浮かない面を下にして置いてください。刃を地面に刺して置くのもいいです」

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それから約30名で、まず木に絡まっている薮を払い、それから徐々に大物を切り払っていくことになった。

私たちが日頃何気なく眺めている棚田の風景。その風景は、人が作り出したものだということを改めて思い出した。かつてはこの辺り一帯が森だった。そこに人が入って森を切り開き、大山千枚田のような棚田が表れた。私たちは、人工から、に帰ろうとしている場所に立ちながら、人と自然が一緒に生きる空間、つまり棚田の風景をもう一度つくりだそうとしていた。

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ある意味、農業は自然を壊し、その中に侵入していくことでもある。だからこそ、自然の摂理に反さず暮らしていくことや、恵みを分かち合うことが大切になってくるだろう。

棚田アラワル!

こんな大変な作業、きっとみんなやめたくなるだろう……。そんな危惧は杞憂に終わった。

    「鉈使うのって初めてだけど、楽しい!」
    「なかなか壮快でしょ! ここのススキ刈るの」
    「なんか、結構ハマってきた」

そこに生まれていたのは不満の声ではなく、満足げな笑顔と明るい笑い声。

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「開墾って楽しいじゃん!」

なんと、そんな言葉まで! 結局ここ来たら何やっても楽しいんだねーなんていいながら、開墾に没頭する一同。気がつけば一段目の薮がきれいになくなっていた。その間、なんとたったの1時間! 特別ハードに働いた訳でもないのに、あっという間に平地が現れている。人の力って、結構スゴイ。

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休憩を挟んで作業を再開すると、既に2段目のほとんどが姿を現していた。

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斜面が急なせいか、ここには幅が狭くて長—い棚田が続いている。一段目は幅4メートル、二段目は幅1メートル程。長さは約40メートル。陽当たりはそこそこよさそうだ。苅った木々が集められたところで作業は終了。もうひとつのメインイベント、新年会へ!

祝宴は日付を越えて

港で買った獲れたてのヒラメに金目鯛、畑で収穫したばかりの王国野菜。みんなで作る夕食は、楽しさ倍増。何となく自然に役割分担ができて、熱々の鍋と刺身、サラダ、炒め物、漬け物という豪勢な夕食が完成した。畳の部屋で鍋をストーブで温めながらみんなでつつくこの感覚、合宿みたいでなんだか懐かしい。会場には種まき大作戦世話人の田中正治さんも顔を出し、にぎやかな自己紹介が始まった。

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今回の参加者のバックグラウンドは多彩。お寺関係機関の職員、デザイナー、元歌舞伎役者の付き人、マクロビオティックカフェの店長&店員、子宮頸癌検査の啓発NGO、アースデイ事務局スタッフ、などなど。日頃は交わることのない業種の人達が集う空間は話の途切れるときがない。片付けが終わった後も宴は続き、男性陣が眠りについた頃はすっかり日付が変わっていたらしい。

目指せ!全国開墾ツアー

二日目の作業は、開墾作業の続きと、地根っこの掘り起こし、斜面に残った切り株を短く切りそろえること、それから切った枝木の整理。

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体は昨日より少し疲れていたけれど、動きは昨日よりも滑らかだった。しかし、8年の間ここで育ってきた木の根はなかなかに大きくて手強い。ここでいよいよつるはしの登場である。どんな力持ちが挑むかと思えば、真っ先に手に取ったのは女性達。

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「こんなの初めて」といいながらも、腰も座ってなかなかの腕前ではないですか。それになんといっても楽しそうで、笑顔で根っこを掘り上げていく。これには主宰者もびっくり。嬉しい誤算の白旗である。

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木がなくなった地面は水がしみ出し、かすかな流れができていた。昔の田んぼの面影を少しずつ取り戻しているようだ。しかし、一足飛びに田んぼに戻せる訳でもない。一度土を掘り起こし、畑として使ってから、徐々に田んぼに移行していくことになるそうだ。

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↑この風景が ↓こうなりました!
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「全国開墾ツアーしよっか?」

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そんな冗談も飛び出すくらい、開墾にハマったシロウト達の二日間。作業を終えたチャレンジャー達は、満足げな様子で棚田を後にしたのだった。

photo & text by kco_sawada 澤田佳子

次回、スコップで表土を起こす「天地返し」で、

棚田開墾畑化計画が本格始動。ノルなら今!

「We can 天地返し! 〜荒れ地がボクらの畑に!〜」

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2月28日(土)〜3月1日(日)
詳細はこちら

◎お問い合わせ・お申し込み:ハッタケンタロー andtwo@mac.com/090-3818-7324

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