棚田チャレンジvol.8 餅米稲刈り&俵づくり 090905−06
あっという間に8月が過ぎ、いつの間にかもう9月。
いよいよ収穫の季節がやってきた。大山千枚田の稲刈りも、大勢の人で賑わっている。

餅つきして遊びたい!
そんな欲望から、今年の棚チャレは餅米にもチャレンジ。3枚の棚田の一番上の半分に、餅米を植えていたのだった。餅米はうるちよりも早く収穫できるので、他の二枚に2週間程先行して、収穫することになった。
この日は、見渡す限りの快晴で、文句なしの稲刈り日和。鴨川自然王国の会員さん達も来て稲刈りをするとのこと。そこで棚チャレと合同の稲刈りレクチャーを開催。講師は、自然王国代表理事の石田三示さん。


実は石田さん、先日の総選挙で民主党から声がかかり、投票2週間前に比例区から出馬することになり、見事当選。16日から国会議員として国政に当たることになった。おめでとう!の祝福の声に少し照れくさそうにしながら、王国理事として最後の稲刈りレクチャー。藤本さんとの出会いから、地元の活性化や都市農村交流、農的暮らしの情報発信など、鴨川をよくしたいという思いで活動を続けてきた石田さん。国会でも、農村の現状を伝える活動を展開してくれることだろう。
そして、彼と一緒にいなくなる人がもう一人。王国スタッフ・我らが宮田さんが、秘書として東京に行くことになったのだ。地殻変動がやってきた自然王国。しかし、これはきっとよい変化が生まれるに違いない。

ではここで、稲刈りの手順を。
1) まず、縄ない。藁の先端、30センチ程を、ゆるく編んでいく。これは稲束を縛りやすくするため。できた縄は腰につけておくと便利。


2) 鎌を持つ手には軍手をはめない。軍手をはめていると鎌がすべって飛んでいってしまうので要注意。
3) 鎌の先でイネをまとめ、反対の手で掴む。こうすると、蛇やマムシの旧攻撃を避けることができる。
4) 稲を鎌で刈る。この時、鎌を斜めに引き上げるようにして刈るとスムーズ。

5) 縄をおいた上に、稲束を重ねていく。根元から15センチくらいのところを縛るので、そのあたりが縄の上で交差するように重ねていく。3掴みくらいを一束にし、次に90度に交わるように次の束を重ねていく。これを2回繰り返す。
6) 縄の端をあわせて縛り上げる。最後にぐっと紐がまわるくらいに木つく縛り上げ、縛り目の下に指を入れ、短い方(穂先ではなく株の下の方)からよじった稲紐を押し込む。はざ掛けした時に上になる方から押し込むことで、束がほどけにくくなる。

7) 田んぼに立てたはざにかけて天日干し。約2週間程で乾燥する。
さて、準備も終わり、いよいよ棚田へ移動して、本番開始。






昨年につづいて2度目になる人達は慣れた手つきでサクサク。初めての人達も、快調なリズムで作業を進めていく。この日は、『chou chou』という雑誌の取材もあり。編集部の人達も一緒に稲刈り。作業は順調に進み、予定通りの4時に棚田を後にした。

今回は王国が一杯で泊まれないため、鴨川在住の「種まき大作戦」世話人、田中正治さんのお宅に宿泊。田中さんはパートナーの阿部さんと一緒に、新潟県で「さわのはな」をつくる農家を応援する「新庄水田トラスト」の事務局をやっている。おいしいさわのはなを頂きながら、話題は農業から、政治、経済、環境と、あらゆる分野に展開していった。

そんな中、私と主催者ハッタさんの間で、新しい構想が生まれていた。
「来年は村チャレをやろう!」
わたしにはひとつの大きな夢があった。
それは、エコヴィレッジをつくること。
里山の恵みを活かした持続可能な暮らしと村をつくりたい。
その夢を実現に向ける、変換が生まれ始めていた。
そこに、棚田チャレンジも加わって、一緒にやってみない? 開墾して、田んぼつくって畑つくって、家も建てちゃえ。
そんな突拍子もない突然の誘いに、チャレンジャー達の反応は、
「いいねえ。やりたい!」
と大はしゃぎ。これがまた、棚チャレっぽくて笑ってしまう。
本当に不思議なのだけど、棚チャレの中で生まれる提案に、参加者の彼らはほとんど反対したことがない。それどころか、大賛成。今すぐやろう! というように勢いづくことしばしば。仕事は普通のOLだったり、会社や施設で働いている人達なのに、こちらの、時にはぶっ飛んだ発想にも軽く乗ってくる頭の柔らかさには、いつも楽しませられている。
こうしてまた、新しい企画が生まれたのだった。
俵編みにチャレンジ!
そして翌日、その村チャレの舞台になる予定の、釜沼集落で、再び長老とわらアートに挑むチャレンジャー達。
俵編みの手順は
1)藁に水をかけてたたたき、柔らかくしておく(今回は木槌で打つ。全回のように機械を使ってもよい)。

2)藁を2本ずつ2組取り、途中で藁を継ぎ足しながら3メートルくらいの長い稲縄を編4本編んでいく。端をつつろ(15センチくらいの木製の円柱)に巻き付け、俵を編む台にかける。

3)穂先と根元を交互にして両端の太さを合わせて稲藁をとり、4本の縄で編み上げていく。この時、表にきている面がきれいに仕上がるように、整えながら編んでいく。縄がなくなるまで編んだら、端を留める。

4)サンダワラと呼ばれる、俵の蓋の部分をつくる。真ん中を縛った藁の束を半分ずつ開き、円形に整えたら、円周を編み込んでいく。


5)俵本体の両端をあわせて筒状にし、縄でざっくりと全体を編む。

筒の片方にサンダワラを取り付けて蓋をする。中に米を入れ(今回は新米が間に合わず籾殻。米の場合は、本体を二重にする)、反対側にもサンダワラをつけ蓋をする。

6)さらに、稲縄で上から縛る。これで強度が強くなると同時に、中身がこぼれにくくなる。

こうして書いてしまうと、簡単そうなのだが、これが結構根気がいる。
俵は5時間程かけて二つが完成! やったー、と歓声が上がる頃には、既に周囲は夕方の日差しに変わっていた。

次回はいよいよ、うるち米の稲刈り! 今年のできはどうだろう? 気になる人は是非棚田へ!
text & photo by kco_sawada











このカフェは自然王国に見学に来てくれた人にゆっくりしてもらいたいと、Yaeさんがオープンさせたもの。つくっているのは料理好きな研修生のフミエさん。農的な暮らしがしたいと昨年秋、大阪からやって来た彼女は近頃、平日は畑、土日はカフェというサイクルで働いている。結構クールな印象の彼女なのだが、最近表情が活き活きしてきたのは、このサイクルが気に入っているからのよう。




























