草取り第一弾 レポート02
Text&Photo by kco_sawada 澤田佳子
そして田んぼは静かになった
快晴の朝。雨が降ると水が畦からも流れ出すことを考えて、まず他の2枚に影響しない一番下の田んぼに廃食油をまくことにした。量は『現代農業』の記事で見たものの半分。およそ3畝に2リットル。矢吹博幸さんが田の淵を一升瓶を油を少しずつ垂らしながら歩いていくと、水面にうっすらと、油の膜が広がっていった。 矢吹さんが一周歩き終わる頃には、薄く薄く田んぼ全体に油膜が広がっていた。


「死んでる。効いてるわぁ」田んぼを見つめていた宮田さんがつぶやいた。油の膜に触れたイネゾウ。最初は素早く泳ぐものもいたが、しばらくすると稲の上でも動かなくなり、息絶えていた。あめんぼも水面を移動することができず、皮膜の上で流されるままになっている。くもも水面から陸や稲の上に避難していった。オタマジャクシは大丈夫、しかし、水際で口を開けて息をする姿は、どこか苦しげに見えてしまう。油はイネゾウだけに効くのではなく、田んぼにいるたくさんの生き物に影響を与えるものなのだ。

油を水に流してはいけない。その意味はわかっているつもりだった。しかし実際に目の前で小さな虫達が死んでいくのを見て、初めてそれを実感した。やっちゃいけなかったのは、こういうことになるからなんだ。そして、毎日油を水に流しているところもある。それは私たちの台所。例え少量であっても、それが毎食、毎日になればどれだけの量になるか? そして街全体、国全体だとどうなるか? 地球全体では? そう思うと、日々の暮らしの大切さを感じずにはいられない。地球をつくっているのは、まさに私たちひとりひとりなのだ。
それから宮田さんは農薬のことについて話してくれた。現在の農薬にはいろんなタイプのものがあり、全部の虫を殺すのではなく、特定の虫だけに効くようにつくられているのだそうだ。イネミズゾウムシの場合、根や葉など、稲を食べてしまうものには、苗に薬を吸わせ、それをかじった虫だけが死ぬような農薬が使われる。これを使った場合、あめんぼやくもには影響が出ないので、稲自体やそれを食べる人間への影響はあるかもしれないが、田んぼで死んでしまう虫の数は圧倒的に少なくなる。この事実にメンバー全員が愕然としていた。
廃食油のまかれた田んぼは、突然静かになった。その様子を見て、全員があと2枚にはまかないことに賛成。残りは手でイネゾウをとってつぶしていくことになった。そしてその2枚に肥料となる米ぬかをまいて(油のあるところは油膜と一緒に流れるのであとでまく)、この日の作業を終えた。

手でとろう! 動き出すのも速かった女性達




棚田の様子 |
そしてまた、田んぼへ行こう
ショックだった、しかし同時に、メンバーの顔は晴れ晴れともしていた。田んぼでの新しい発見、気づきが、生きることの意味をさらに深くしていく。帰宅後、宮越民子さんはメーリングリストこんな感想を寄せてくれた。
「私はいつも無農薬のお米を買っているのですが、自分でやってみると「一体どうやって?!」という疑問が湧いてきました(笑)。(中略)そしてイネゾウをブチッ、ブチッ、と潰しながら
人がものを食べて生きるということには、ものすごく多くの命の犠牲があるのだなあ、なんてことを思いました」
また、宮田さんからは、一番下の田んぼでイネゾウがほぼ全滅していること、イネゾウと一緒にあめんぼなどもたくさん死んでいることを知らせるメールが届いた。イネゾウ対策は大成功。そして、それぞれの心に新しい視点が生まれた棚田チャレンジ第2回だった。
Text&Photo by kco_sawada 澤田佳子
Let’s go to the ricefields !
私たちの田んぼに出掛けよう!
田んぼはいのちの源、そしていのちの宝箱。自然の循環の中で生きていることを、心と体で感じよう。
次回の棚田チャレンジは6月14(土)、15日(日)。14日にはあわのわマーケット、正木高志・加藤登紀子の対談もあります! フードハートスタンプラリーも開催中! たくさん参加した方がたくさん分け前をもらえます。
途中参加大歓迎! 詳しくは種まき大作戦事務局まで。
種まき大作戦実行委員会
事務局 担当:かんざわseed@tanemaki2007.jp
※イネミズゾウムシについては福岡県病害虫防除防除所HP、島根県農業技術センター・害虫データベース、Yahoo!きっず図鑑などを参考にしました。















